穀内クリニック
tel. 0799-55-0059みどり診療所
tel. 0799-45-2055我々は日常生活の中で見る、聞く、話す、動くなど様々な動作を行っていますが脳、脊髄、末梢神経、筋肉などが細かく関与することでこれらの動作を作りあげてます。それらの部位の一つでも働きが悪くなるとバランスが崩れてしまい動作自体を行うことが難しくなります。脳神経内科はそのような病気を扱います。
脳神経内科疾患は、脳・脊髄・神経・筋肉等の疾患のことで、身体的に不自由な部分が現れる病気です。当院では、日本神経学会神経内科専門医、難病指定医の診療が可能です。まずはご相談ください。
「頭痛」と一言で言っても原因は様々で、緊急性の低い緊張型頭痛や片頭痛などの慢性頭痛の場合もありますが、クモ膜下出血など命に関わる緊急性の高い危険な頭痛もあります。また「めまい」についても、ぐるぐる回る感じの回転性めまいや、ふわふわしてまっすぐ歩けない感じの浮動性めまいなどがありますが、その原因は内耳(三半規管や耳石器)だけでなく、脳や頚椎など、様々な部位の病気が原因である場合もあります。
手足に「しびれ」があるといった場合も、脳や首が原因であることが考えられます。特に首(頚椎)に原因がある場合が多く、日本人は頭の重さに比較して骨格が小さいため、しびれを引き起こす首の疾患に罹りやすい傾向にあります。一方、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害からくるしびれもあります。脳血管障害によるしびれは、急に体の片側の部位に症状が出ることが多く、また口の周りがしびれる場合も、脳血管障害の可能性があります。「ふるえ」ということでは、震えの症状があらわれる代表的な病気としてパーキンソン病があります。パーキンソン病は脳の神経細胞に異常が起こる病気です。
当院では、これらの症状の一つ一つに関し、細かく丁寧に診察を行います。そして血液検査、レントゲン、神経伝導検査などを用いて、原因をつきとめていきます。CTやMRIなどの検査は必要があると判断した場合には連携病院に撮影を依頼し、検査結果を精査して診断を付けていきます。
脳卒中とは脳血管障害とも呼ばれるもので、脳の血管に障害が現れる病気の総称です。含まれるものとしては、脳の血管が詰まる「脳梗塞」、あるいは破れる「脳出血」や「くも膜下出血」などがあります。これらの疾患によって、突然、脳神経が障害された状態となることを、総じて脳卒中と呼びます。
脳卒中は少しでも早く治療することで(4~5時間以内が目安)、救命、あるいは後遺症を軽くできる可能性が高まる非常に緊急性が高い疾患です。発作が起きた場合は、いち早く救急車を呼ぶことが必要です。
急性期病院における治療後は、早めに定期的なリハビリを開始することが、早期の復帰や後遺症の軽減には大切なことになります。また再発予防目的での投薬や生活指導も重要となります。当院ではリハビリや投薬、生活指導などを丁寧に行っていきます。
以下のような症状が見られた場合、脳卒中の疑いがあります。重篤な場合は意識がなくなることもあります。一つでも症状が現れた場合、脳卒中が疑われますので、早急にご受診ください。また場合によっては救急車を呼ぶことをお勧めします。
高齢になってくると、「物忘れ」という現象がよくみられるようになります。物忘れというと、認知症のひとつであるアルツハイマー病を思い浮かばれる方も多いとおもいますが、「老化による物忘れ(良性健忘)」というものもあり、ビタミン不足や甲状腺機能低下症をはじめとした内科疾患でも物忘れは起こり得ます。また、不眠などの生活習慣、薬剤の作用、うつなどの精神疾患でも物忘れが出現することがあります。内科疾患の場合はその治療により物忘れは改善することも多くなっています。当院では、これらを判別し、不安を解消していくとともに、認知症の疑いがあれば、早期の治療につなげていきます。
物忘れがあるからと言って、認知症となるわけではありませんが、軽度認知障害の場合、放置していると、年間で5~15%の方が認知症を発症するといわれています。逆に軽度認知障害の段階で発見された場合、年間16~41%の方が正常な老化の状態に戻るとされています。
アルツハイマー病などの神経内科領域の病気に関しては、生活の指導や投薬調整を行います。物忘れが少しでも気になる場合には早めにご相談ください。原因についての精査、加療を迅速に行わせて頂きます。
など
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パーキンソン病は、中脳の黒質と呼ばれる部分にあるドーパミン神経細胞が変性し、ドーパミン産出量が低下してしまうことによって発症すると考えられていますが、詳細についてはまだ不明です。
パーキンソン病では、パーキンソン症状というものが現れます。それは主に以下のような症状です。
【安静時の震え】
手足を動かさずにじっとしているときに震えが起きるもので、パーキンソン病の特徴の一つです。片方の手や足のふるえから始まることが多く、高齢でパーキンソン病を発症した場合、震えが目立たない場合もあります。睡眠中に震えは出ませんが、目覚めると再び震えが起こります。
【筋肉の固縮】
肩、膝、指などの筋肉が固くなってこわばる「固縮」と呼ばれる症状が現れます。他人が手首などを持ち、力を入れて肘を伸ばそうとすると、カクカクした抵抗感を感じます。症状が進むと、歩く際にも手足が動かしにくくなり、歩行が困難になる場合もあります。
【動作の緩慢さ】
歩くときに足が出にくくなるなど、動きが遅くなったり、動きが少なくなったりすることがあります。歩くときのスピードが遅い、寝返りが打てない、といった状況になり、顔の動きが少なくなり、独特の無表情さも見られるようにもなります。
【姿勢反射障害】
パーキンソン病が進行すると、体のバランスがとりにくくなり、体が傾いてもとっさに足が出ないなど、転倒しやすくなります。歩行する時は前かがみの姿勢で小刻みに歩くようになってきます。
パーキンソン症状は、パーキンソン病以外でも現れる場合があります。「パーキンソン症候群」と呼ばれるもので、多系統萎縮症、皮質基底核変性症候群、進行性核上性麻痺などがあります。
パーキンソン病およびパーキンソン症候群の診断のためにMRIや脳ドーパミントランスポーターシンチ(ダットスキャン®)といった画像診断などによる精査および薬剤に対する反応性の評価を行います。治療としては、薬物療法に加え、規則正しい生活や定期的な運動、リハビリが推奨されています。
薬物療法としては、不足したドーパミンを補う「L-ドパ」、ドーパミンが脳内で分解されるのを防ぐ「MAO-B阻害薬」、ドーパミンの分泌を促す「ドーパミン遊離促進薬」、ドーパミンに代わって作用する「ドーパミンアゴニスト」などがあります。ただしパーキンソン症候群では薬剤が効きにくいことがあります。
関節が固くなったり動かしにくくなったりすることや、バランスをとる能力が低下することを予防するためには、運動療法や作業療法などのリハビリテーションも重要になります。入浴やトイレなどの日常生活で必要な動作をなるべく一人でできるようにすること、また日中、横にならず過ごすことで、薬が効いている時間も伸びると考えられているため、薬物療法をより効果的なものにすることを目的として行います。
これら全ての検査や治療などに関し、当院で行うことが難しいものに関しては、県立淡路医療センターなどの専門病院と連携して、診療を行っていきます。
てんかんは大脳皮質の脳細胞が過度に興奮することによりおこる病気です。数百億とも言われる大脳のニューロン(神経細胞)は、普段は調和を保ちながら規則正しい電気活動(電気発射)をしています。ところが突然、激しい電気活動(ニューロンの過剰な放電)が起こる場合があります。すると「てんかん発作」が引き起こされます。この発作を繰り返し起こすことが「てんかん」の特徴です。興奮する部位により痙攣から意識消失まで様々な症状が出現します。
てんかんには、大きく分けて「特発性てんかん」と「症候性てんかん」があります。「特発性てんかん」は原因がよくわかっていないもので、「症候性てんかん」は生まれたときの仮死状態や低酸素、脳炎、髄膜炎、脳卒中(脳出血・脳梗塞)、頭部外傷、アルツハイマー病など、脳に明らかな障害があることによって起こるものです。
てんかんは幼少期での発症が多くみられますが、乳幼児から、小児、学童、思春期、成人、高齢者のすべての年代で発症し、発症率は小児と高齢者で高くなっています。高齢化に伴う脳卒中などが原因となる発症も増えており、高齢者の場合、痙攣以外の動きが止まる、短期間の記憶がとぶ、一時的に変な行動をとるなど、てんかんとは思えないタイプも多くみられます。
てんかんの治療としては、「抗てんかん薬」による薬物治療が中心となります。現在、抗てんかん薬には多くの種類があり、近年では副作用が少ない薬も開発されています。患者さまのてんかんのタイプが、どのようなものかを丁寧に判断し、それに合わせて薬を組み合わせて使用していくことが重要になります。
重症度合いにもよりますが、薬剤調整を適切に行うことによって、発作が出ないようにする、あるいは回数を減少させていくことができます。医師の判断で徐々に薬の量を減らすことも可能で、最終的に薬を中止しても発作が起きなくなれば、てんかんが治癒したとなります。ただし再発するケースもありますので、投薬中止後も定期的に脳波検査を受けることが大切です。
てんかんは、発作が起こっている時間は比較的短く、それ以外は通常の社会生活を送ることが可能です。周囲の理解やサポートも、てんかんという病気のケアでは重要です。就学や就労や自動車免許の取得、結婚、妊娠・出産など、様々なサポートが必要となります。当院では、薬剤調整に加えて、こうした人生のイベントについても相談させていただきます。
難病とは、「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」において、「発病の機構(原因)が明らかでないこと」「治療方法が確立していない希少な疾病」「当該疾病にかかることにより、長期にわたり療養を必要とすること(ただし、がんや精神疾患、感染症、アレルギー疾患など、個別の施策体系が樹立されているものは除く)」と定義されています。
平成30年4月現在、331の病気が国の指定する難病となっていますが、この中には脳神経内科が担当する病気が多く、それらは「神経難病」と呼ばれています。治療が長期にわたることで、経済的問題のみならず、介護などの家族の負担や精神的負担も大きなものとなっています。
現在では病気の仕組みが分かってきたものもあり、それに伴って新たな治療法が開発されつつあるものもあります。当院では、日本神経学会神経内科専門医、難病指定医が診療を行います。また、ご本人・ご家族に病気について理解して頂き今後の療養方針について相談させていただいた上で、在宅環境の調整を行います。外来受診が困難な場合には往診の上で診療をさせていただきます。まずは何でも、お気軽にご相談ください。
現在では病気の仕組みが分かってきたものもあり、それに伴って新たな治療法が開発されつつあるものもあります。当院では、日本神経学会神経内科専門医、難病指定医が診療を行います。また、ご本人・ご家族に病気について理解して頂き今後の療養方針について相談させていただいた上で、在宅環境の調整を行います。外来受診が困難な場合には往診の上で診療をさせていただきます。まずは何でも、お気軽にご相談ください。
主に中高年で発症するもので、比較的急速に手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉が次第にやせてきて、力が入らなくなる病気です。これは神経が障害を受け、脳からの命令が伝わらなくなることによります。進行すると食事がとれなくなり、さらに呼吸も困難になります。その一方で、体の感覚、視力や聴力、内臓機能などは保たれることが一般的です。進行する場合にはご本人が希望される場合には胃ろうや人工呼吸器を用いることがあります。
中枢神経の自己免疫による脱髄疾患の一つです。思春期から中年期までの各世代で発症します。目が見えにくくなる、手足がしびれるといった様々な症状が、良くなったり再発したりを長年にわたって繰り返します。ほとんど無症状までに回復する場合もあれば、そのまま車椅子が必要となってしまう場合もあるなど、経過には様々なパターンがあります。
末梢神経と筋肉の接ぎ目(神経筋接合部)で、筋肉側の受容体が自己抗体により破壊される自己免疫疾患です。以前は若い女性に多く見られましたが、近年は高齢者の発症も増えました。眼だけに症状が出現する眼筋型、全身に症状が出現する全身型に分類されます。瞼が下がる、物が二重に見えるなどの症状から始まり、手足、全身の筋力低下もあらわれます。重症化すると呼吸困難をきたすこともあります。特に特定の睡眠剤や抗生剤などの薬剤で突然、脱力・呼吸困難を来すクリーゼに陥ることがあるため、注意が必要です。
遺伝子変異により筋肉に必要なタンパク質がうまくつくられなくなることで、筋肉が徐々に弱くなっていく病気です。子供にみられるもので最も多いのはデュシャンヌ型ですが、思春期に発症する顔面肩甲上腕型や、成人になってから発症する筋強直性ジストロフィーなど、さまざまな種類があります。筋力の低下に伴って、呼吸や嚥下、心臓、消化機能などに障害が現れる場合もあります。
ボトックスは、ボツリヌス菌が産生する毒素を、眼瞼や顔面筋、頸筋などの症状が出ている筋肉に注射し,その筋肉を麻痺させることで症状を抑える治療法です.毒素といっても、使用する量では微量のため、全身への副作用はほとんどありません。当院では眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、痙縮に対してボツリヌス療法を行っております。
眼瞼けいれん | 眼がビクついたり,眼がショボショボしたりし開けづらい、まぶしい等の症状があります。 |
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片側顔面けいれん | 一般的に顔の筋肉が片側だけビクつき,眼が閉じてしまったり,口が曲がったりしてしまうような症状が現れます。 |
斜頸 | 首や肩の筋肉が異常に緊張することにより,頭の位置の異常(ねじれ,傾くなど)が現れる病気です。 |
これらの症状に対して,内服薬によるコントロールが困難な場合、ボトックス療法が検討されます.効果はおよそ2~3か月間持続します。症状緩和継続のためには一定期間(3ヶ月毎を目安)の注射を続けることとなります。準備が必要であるため、ご希望の方は事前にご連絡ください。